当院は内科ですので、主に大人の方を拝見しているのですが、ここ最近ヒトメタニューモウイルス感染症の方を散見するようになりました。
ヒトメタニューモウイルスなんて聞いたことない!
という方が多いと思いますが、主に子どもがかかる呼吸器感染症の原因ウイルスです。
1~3歳ぐらいの子どもがかかることが多いのですが、大人も感染します。子どもの呼吸器感染症の5~10%、大人の呼吸器感染症の2~4%は、ヒトメタニューモウイルスが原因だと考えられています。
とくに乳幼児や高齢者では重症化することもあるので、注意が必要です。
症状は
・1週間ぐらい続く咳
・4~5日ぐらい続く熱
・鼻水
という軽い場合は「いわゆるカゼ症状」なのですが、ひどくなるとゼーゼー、ヒューヒューいうような
喘息様気管支炎
をおこして呼吸困難を生じます。
例年は2~6月くらいに流行して3月頃がピークなのですが、去年も今年もコロナに押されてほとんど見ることがありませんでした。
ところが、先週、先々週、つまり、6月の下旬頃から
お子さんがヒトメタニューモウイルスにかかって、その後親御さんにうつった
と思われる患者さんが散発しています。
特効薬がないので、治療の基本は安静と対症療法ですが、
ゼーゼー、ヒューヒューいうような喘息のような咳や呼吸
をしている場合には気管支拡張薬を使った方が良い場合もあります。
また、お年寄りの方と同居している場合にはより一層の注意が必要です。