子どもがiPadやノートPCを使うことが多くなってきました。
iPadやiPhone、ノートパソコンの液晶液晶画面を長時間集中して見ると、まばたきが減り、目が乾燥してドライアイになりやすくなります。
液晶画面は、基本的にバックライトと色彩を生み出す液晶パネルの二重構造になっていて、パネルの背面からバックライトで光を照らし、映像を表示します。
明るい所で液晶画面を見る時は、外部の光量が多いので、瞳孔は縮小して光の取入れを少なくします。暗い部屋では光を取り込むために瞳孔は大きく散瞳しているのに、液晶バックライトの強い光が目に入るので、目がとても疲れます。さらに、動画は静止画に比べてコントラストをはっきりさせるためにバックライトを明るくしがちなのでYoutubeやTikTokなどの動画を暗い部屋で見ると目が非常に疲れます。
さらに、目は毛様体筋が収縮すると水晶体が厚くなって近くにピントが合いやすくなり、反対に、毛様体筋が弛緩すると水晶体が薄くなって遠くにピントが合いやすくなります。原始時代には遠くを見ることがデフォルトで、近くを見ることが少なかったので近くを見るためには毛様体筋を収縮させることが必要な構造になっているのでしょう。
さて、ベッドに横になってiPhoneやiPadを見ていると、どうしても画面と目の距離が短くなって毛様体筋を緊張させ続けることになります。緊張し続けた毛様体筋はすぐに弛緩することができなくなります。これが目の疲れの原因の1つです。
さらに、動画は動きをじっと見てしまうので瞬きの回数が極端に減少します。
また、目を大きく開けて見ると、まぶたの開き具合が広くなってしまいます。横から目を見て頂くとわかると思いますが、目を少し大きく広げるだけで上まぶたと下まぶたの間の開け目、つまり目を開けた時に見える隙間(眼裂といいます)の面積は数10%も拡大してしまいます。これもドライアイの大きな原因です。
液晶デバイスで動画を見る時には、長時間見続けないこと、暗いところでは見ないようにすること、適正な高さと距離を保つようにすることが必要です。目のレンズは水でできたレンズですから、ドライアイになると視力が極端に低下します。目の潤いを確保するために、目を休めたり、目薬を使って、目に潤いを持たせてあげるようにして下さい。
一方、iPhoneを見るために下を見続けたり、ノートパソコンで作業をしたりしていると、どうしても肩を丸めて下を向いて作業をすることになります。このような場合、重い頭部を前に突き出すような姿勢になるため、肩から首の筋肉はクレーンのように頭部を引っ張り上げ続けなくてはいけなくなります。もともと日本の女性は巻肩が多いの上に、小さなノートパソコンのキーボードに手を置くことで、より巻肩傾向が強くなって、肩から首の筋肉が緊張し続けてしまいます。
この結果、肩が凝るだけではなく、後頭部から側頭部にかけての筋肉が過緊張することで、後頭部から側頭部がズキズキしたり、頭全体が締め付けられるような痛みが生じる、「緊張型頭痛」を起こします。
このような事態を避けるためには、iPadスタンド(ノートPCの場合はノートPCスタンド)と分離型キーボード、マウスを使って、視線の位置が少し高くなるようにデスクトップを整理してみると良いです。お子さんの座高が高くなって視線が高くなった時には、iPadスタンドの下にモニタースタンドを置いてあげると、キーボードがモニタースタンドの下にしまえて便利です。
iPhoneを使う時にも、長時間動画を見たり、オンライン授業などの時にはスタンドを使った方が目や首への負担は軽くなります。
こういったiPadスタンドやノートPCスタンドは、アマゾンやヨドバシで数千円台と割と安く買えるので、頭痛や目の疲れを感じているお子様はもちろん、大人が使っても便利です。
写真は我が家で娘が使っているiPadスタンドと外付けキーボードですが、学校に持って行くiPadそのまま載せられるので便利です。娘の場合には頭痛がある訳ではないので、頭痛の予防と目への負担を減らすために使っています。
高校生、大学生や社会人の方で、長い間ずっと頭痛に悩まされていたけれど、iPadやノートPCをスタンドに載せて視線が水平になるぐらいの高さに合わせて使うようにしてもらったところ、頭痛がなくなった、という方も多いので、一度お試しになってはいかがでしょうか?
iPadスタンドとキーボード
モニタースタンド: