ここ数日、
コロナウイルス感染の療養期間が終わったのにまだ咳が止まらない
という方が急増しています。
確かに今までの第6波まででもそういう方はいらっしゃいましたが、今回の第7波では各段に多くなっています。
発熱もなく、あまり痰の出ないけれど、一度で出だすと止まらない咳が、特に夜に強く出る
というのが典型的ですが、痰が絡む咳や朝方に強く咳が出ることもあります。
診察しても特に異常はなく、レントゲンでも異常なし、なのに、待合室ではひどくせき込んでいたりします。
市販の咳止めを使っていたのだけれど2週間以上も咳が治らない
と来院なさった方もいらっしゃいました。
このような方の多くは咳喘息であることが多いようです。
咳喘息はゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴や呼吸困難を伴わず、痰があまり絡まない咳(乾性咳嗽といいます)を唯一の症状とする喘息の一種とされています。コロナウイルス感染によって気管支に炎症が生じたために起きたものです。
放っておいても3週間~1ヵ月ぐらいで治ることもありますし、数か月続くこともあります。
また、咳は思っているよりも体力を消耗しますし、肋軟骨を傷つけて胸が痛くなったり、逆流性食道炎を起こしてしまう方もいらっしゃいます。
逆流性食道炎や後鼻漏を併発してしまうと咳喘息が悪化するのでなかなか治りにくくなってしまいます。
なにせこのコロナの時代、会社や外出時に咳をしているだけで冷たい目で見られてしまいますから、何週間、何か月も咳をしたまま、という訳にもいきません。
気管支喘息に準じて吸入ステロイドや気管支拡張剤を使用した治療を行うことで咳の出る期間を短縮できますから、お困りの方は一度ご相談下さい。