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コロナウイルスの中和抗体療法

こんにちは! 
 
ようやくワクチン接種の予約が各地で始まったようですが、
まだまだ感染者数は減る気配がありません。
 
風邪症状があって、PCR検査を受けて陽性になって
コロナウイルス感染症と診断されると
「ホテルなどで待機」となって隔離されます。
 
残念ながら現在承認されているコロナウイルス感染症の治療薬は
待機施設にいる軽症~中等症の患者さんに対する治療薬ではありません。
 
つまり、待機施設に隔離されても、特に何か治療を受ける訳でもなく
ただ、安静にして症状が良くなるのを待っているだけです。
 
以前のブログでも書いたように、ウイルスの性質も変異してきており、
待機施設で重症化する方もいらっしゃるようです。
 
でも医師や看護師は重症患者さんの治療に手いっぱいで、
なかなか待機施設まで手が回らないため、
重症化しても気づかれないこともあります。
 
感染者数が増えると重症患者さんの数も増えます。
待機患者さんの中から重症化する患者さんが増えていくと、
通常医療を圧迫してしまいます。
 
こういう時に役に立つのが「中和抗体」というお薬です。
「中和抗体」というのは、ウイルス粒子に結合して不活性化させるもので、
ヒトの体で作られる抗体を工業的に生産にしたものです。
 
むかし、抗体の工業生産ができなかった頃には
感染症が治った患者さんの血液から抗体だけを取り出して作っていました。
これだと作れる量がほんの僅かなので、
重症患者さんの治療にしか使えませんでした。
 
でも、今は違います。
 
抗体は工業的に生産することができます。
また、抗体の作用する時間を人工的に長くするように加工することもできます。
 
こういう「長時間作用型の抗体」を軽症や中等症の患者さんに注射してあげれば、
重症化しないように予防することができます。
 
このような抗体医薬品はいくつかの製薬会社で現在開発中です。

 

できるだけ早く承認されて現場で使えるようになるといいですね。
 
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