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子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)のキャッチアップ接種ーまだ間に合います!

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)のキャッチアップ接種ーまだ間に合います!

日本では、「2013年6月からの積極的勧奨の差し控え期間」があったため、20代までの女性にはHPVワクチンを接種していない人が数多くいます。

この方々のために、キャッチアップ接種という制度があり、平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方はキャッチアップ接種の対象となっています。

性体験の有無は問いませんので、接種対象の方はぜひ接種を受けた方が良いです。

選ぶワクチンは9価のシルガード9一択です。

 

このキャッチアップ接種の制度は令和7(2025)年3月31日までの時限なので、これまでに3回の接種を終わらせないと、受け損ねた分は自己負担になってしまいます。

キャッチアップ接種におけるHPVワクチンの標準的な接種期間は

  1回目接種 →(2か月)→ 2回目接種 →(4か月)→ 3回目接種

ですので、

3回目接種を2025年3月31日までに行うためには、2回目接種を2024年11月30日までに行う必要があるので、1回目接種の接種期限は2024年9月30日

という説明を多くの医師や自治体、保健所はしてきました。

「あ~あ、10月になっちゃったからキャッチアップ接種にはできなくなっちゃった!」とお嘆きのあなた!

ご心配なく!実はまだ間に合うのです!

 

実はシルガード9の接種間隔は添付文書上に例外規定が設けられており、

  9歳以上の女性に合計3回の接種をする場合、1年以内に3回の接種を終了することが望ましい。

  なお、本剤の2回目及び3回目の接種が初回接種の2ヵ月後及び6ヵ月後にできない場合、

  2回目接種は初回接種から少なくとも1ヵ月以上、

  3回目接種は2回目接種から少なくとも3ヵ月以上

  間隔を置いて実施すること。

とされています。

HPVワクチンの開発を始めた時には「どうやって生涯HPVワクチンの効果を維持させるのか」がよくわかっていなかったため、他のワクチンの例を参考に、

 1回目、2回目接種は基礎免疫

 3回目は長期間効果を持続させるためのブースト接種

という接種設計をしました。通常ワクチンの1回目接種の後、30日ぐらいかかって体内の免疫機構が安定するので、2回目の接種は1~2か月後に実施します。HPVワクチンの場合はなるべく長く効果を持続させたかったので、2回目接種は1回目接種の2か月後に設定されました。

3回目のブースト接種は2回目接種から数か月~1年ぐらいの期間を置いた方が安定した長期間の効果が期待できると考えられたのですが、一方でHPVウイルスの感染状況は世界的であり、アジア・アフリカなどでの接種も必要と考えられたため、3回目接種までの期間が長くなりすぎると3回目接種の接種率が低下してしまう恐れがあったので、3か月以上の間をおいて、4か月目ぐらいに接種するのが妥当だろう、ということで

1回目接種 → 2か月 → 2回目接種 → 4か月 → 3回目接種

という接種設計になりました。

3回目接種は

  3か月以上の間隔があれば4か月目を待つ必要はない

のです。

つまり、3月31日までがキャッチアップ接種期間なので、3か月前ということは12月31日までに2回目接種が行われていればよいことになります。

12月は年末年始があり、2024年のカレンダーでは12月29日が日曜日なので、

  年内診療は12月27日(金) か 12月28日(土)まで

という医療機関が多いと思います。

つまり、2回目接種は12月27日か12月28日までに接種すればよいのです。ただ、年末年始は医薬品卸が休みになっているので、ワクチンの供給が止まるので、事前に予約をしておいた方がよいです。

1回目接種はその1ヵ月前までに終了していればよいので、11月27日か28日までに終了していればキャッチアップ接種の制度を最大限に利用することができます。

まとめると、

キャッチアップ制度を利用するためには、

1回目接種はなるべく早く行った方がよく、11月28日(または27日)が期限

2回目接種は12月28日(または27日)が期限(要 事前予約)

3回目接種は3月28~31日に行う

ということになります。

少し出遅れちゃった、と思っているあなた、ぜひ接種をしましょう!

 

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