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心臓の解剖と血圧の話

こんにちは! ド
 
ワクチンネタが続いたので、今日は心臓のお話をしますね。
 
先日、小学生の娘と一緒に
心臓の解剖をする
ことになりました。
 
もちろん、ヒトの心臓は解剖できないので、ニワトリの心臓を使います。焼き鳥のハツですね。
肉屋さんに行って
「生のハツを下さい」
と言ってもハツだけでは売ってないのですが、
「ハツのついている鶏レバー下さい」
と言うと鶏レバーにハツがくっついているものを売ってくれます。
後で食べることを考えて、今日は5つ買って500円ぐらいです。
 
見た目はこんな感じ。
ハツ01.jpeg
 
次に、肝臓を切って、心臓だけにしました。
大きさは小さいですが、構造はヒトの心臓によく似ています。
ハツ02.jpeg
 
縦に切るとこんな感じになります。
左心室の中に腱索や房室弁が見えます。
ハツ05.jpegハツ04.jpeg
 
横に切って輪切りにするとこんな感じです。
筋肉の厚みは、右心室に比べて左心室の方が圧倒的に厚くなっています。
ハツ06.jpeg
 
心臓の働きは「血液を送るポンプ」です。
血液は
  全身 → 右心房 → 右心室 → 肺 → 左心房 → 左心室 → 全身
と送られていき、送血の時の圧力と血管の反発力で血圧が発生します。
 
ヒトの血圧は120/80mmHgぐらいなのは、健康診断などでご存じですよね。
ところで、この血圧の単位のmmHgの意味をご存じですか?
mmはミリメートル、Hgは水銀を意味しています。
 
120mmHgというのは、
水銀を120㎜押し上げるだけの圧力
という意味なのです。
 
でも、水銀の重さって言われてもよくわからないですよね。体の中を流れている血液は水ですし。
…ということで、
水なら何mm(何cm)押し上げるのか?
を計算してみましょう。
 
水銀の比重は13.6g/ml、つまり、水の13.6倍重いんです。
つまり、120mmHgを水に置き換えるためには13.6倍すればよいので、
  120mm×13.6 = 1632mm = 163.2cm = 1.632m
これは、水(血液)を1.632m垂直に噴き上げるだけの圧力なんですね。
 
もしこれが血圧180mmHgだとすると、
  180mm×13.6 = 2448cm = 244.8cm = 2.448m
血液を2.5mも垂直に噴き上げる力になります。
 
高血圧怖いですね。
 
ヒトの場合には直立歩行しているので、脳に血液を送るために重力に逆らって血液を送るためにこの圧力が必要なのです。
 
血圧は動物によって異なり、
  キリン: 260/100 mmHg
  ニワトリ: 150/120 mmHg
ぐらいです。
 
何せキリンは「地上3mの心臓から地上5mの脳に血液を送る」ために超高血圧になっています。
このため、頭を下げた時の急激な血圧変動を避けるためにワンダーネットという特別な仕組みも持っています。
 
驚くのはニワトリで、小さいくせにヒトより血圧が高いんですよ。
このため、ニワトリの左心室の壁はヒトの心臓の左心室の壁よりも厚くなっています。
 
ところで、全身に血液を送る左心室 → 全身の体循環の血圧はこのように120/80mmHgぐらいですが、
肺に血液を送る右心室 → 肺の肺循環の血圧はどのぐらいか、ご存じですか?
 
実は、15~30/2~8mmHgぐらいしかありません。
水(血液)に換算すると
15×13.6 = 204mm = 20.4cm
ぐらいですから、
 左心室は全身に血液を送るためには非常に大変な仕事をしている
ことと同時に、
 肺は低圧で血液を送らなければいけなくらい柔らかい
ということがわかります。

 

みなさん、毎日毎日一生懸命働いている心臓さんを大切にしてあげてくださいね!
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