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コロナウイルス感染症の今後の予想

コロナウイルス感染症の今後の予想

コロナウイルス感染症の新規発生患者数が激減しました。

その理由は…というと、さっぱりわかりません。もしかしたらワクチンの効果かもしれませんが、それだけではありません。

ウイルスが弱毒化した訳でもありません。

歴史的に見て「感染症の終わり方」はこのような唐突なもので、私たちが理由を理解できることは限られているのです。

これが日本だけの傾向ではないことは確かです。もちろん、一部の国ではまだ高止まりしている国もあるので、一概に「これでコロナ感染症は終わり」とは言えませんが、世界的に一定の傾向があるのも確かです。

イギリスでは感染者数が4万人とか5万人に増えていると言っていますが、その実、重症者数は増えていませんから、感染症としては以前の勢いがなくなっているのは事実です。

緊急事態宣言も解除されて、これからどうなるのでしょう?

もともと、コロナウイルス感染症の感染には「人流」はあまり影響を与えていません。「三密」と言われていたように、「ウイルスとの接触時間と吸入回数」が大きな影響を与えており、時間の要素の強い感染形態をとっていたので、ヒトとの短時間の接触自体は感染拡大の要素としてはそんなに強くなかったのです。ですから、人の流れを制御するよりも、「人が狭い空間で長い時間滞留することの制御」の方が感染コントロールには重要だったのです。「人流のコントロールが大切」というのは大きな誤りです。もちろん手洗いは大切なのですが、世間で言っているほど手洗いがコロナの感染抑制に有効だった訳ではないことは知っておいてください。

さて、コロナウイルス感染症の新規患者発生が減少したのは、単一の要素によるものではなく、複数の要素が絡み合った結果だと考えられます。ワクチン接種がある程度進んだことで感染の連鎖反応が抑えられたり重症化率が低下したことはもちろんですが、ウイルスがヒトに馴化したことで潜伏期間が短くなり、感染年齢が若年側にシフトしたことの影響も考えられます。

大都市圏では、一定の感染防御網が出来上がってしまっているので、もうコロナウイルスが大流行するような感染連鎖は起きにくい状況だろうと思います。しかし地方や地方都市ではまだ十分な感染防御網が出来上がっていないところもあるので、局所的に患者数が増加する地域があるかもしれません。

「感染が時間の関数になっている」コロナウイルスの感染性の特徴は、「社会全体として感染がコントロールできたとしても、狭い空間に滞留時間の長い活動を行うと局地的にクラスターが発生するリスク」があることです。つまり、このまま社会全体としてはコロナウイルスの新規感染者数は減少した状態が維持されたとしても、カラオケやバス旅行、学校、オフィスなど「狭い空間に人が入れ替わることなく長時間滞留している」ような環境にウイルスが侵入するとクラスターが発生するでしょうが、局地的な散発的な流行で終わるようになるはずです。

では、この後第6波が来るのか…?というと、おそらく「第6波は来ない」でしょう。すでに人の動きは大きく変わってきているにもかかわらず、東京では患者数の増加は見られていません。感染症の流行はウイルスとヒトの行動との関係によって変化します。もうすでに東京ではコロナウイルスは再拡大するだけの力は持っていないと考える方が妥当です。

以前もお話ししましたが、呼吸器のウイルス感染症は1つが流行すると他が減るような関係があります。コロナウイルスが減ると、他の呼吸器感染症が増える恐れがあります。もしかすると、インフルエンザかもしれません。もしかすると他のウイルスやマイコプラズマ、百日咳も増えてくるかもしれません。人混みに出るときのマスクは今しばらくは続けておいた方が良いですね。

 

 

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