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世界で唯一のコロナ感染予防抗体:長期間作用型抗体 Evusheld(AZD7442)を早く承認してください!

長期間作用型抗体 Evusheld(開発コード:AZD7442)という薬があります。

コロナウイルスに効く抗体医薬品で、アストラゼネカという製薬会社が開発したものです。

抗体治療薬はカシリビマブ/イムデビマブ(商品名:ロナプリーブ:中外)とソトロビマブ(商品名:ゼビュディ:グラクソ・スミスクライン)があります。

ロナプリーブとゼビュディの違いの一つに、「ロナプリーブはワクチンの代わりに予防的に投与して抗体レベルを上げる」ために使うことができます。

残念ながらゼビュディは予防投与ができませんので、ロナプリーブは「重症化リスクが高いのにワクチンが使えない」血液がんや免疫抑制剤服用中の患者さん、先天性免疫不全の子供や膠原病などでステロイドを使っている患者さんたちにとっては、重要な予防手段です。

こういう「ワクチンが使えないけれど重症化リスクが高い人々」は人口の2%ほどいらっしゃると考えられています。

しかし、一方で、ロナプリーブはオミクロン株に対しては中和活性が極端に低くなることが知られており、現時点ではあまり実用的ではありません。

海外ではどうしているか?というと、アストラゼネカの長期間作用型抗体 Evusheld(開発コード:AZD7442)が承認されて既に使われています。

これは長時間作用型抗体チキサゲビマブとシルガビマブの混合剤で、2種類の抗体を組み合わせることで、新しい変異株が出現したときのエスケープを防ぎ、オミクロン株を含む、現在までのすべての変異株に対して、発症抑制効果を持っていることがわかっています。

これにより、ワクチンの効果が不十分と考えられたり、ワクチンの接種が勧められない方々に重要な予防手段を提供することができます。

この抗体製剤はアメリカ、フランスでは2021年12月に、イタリア、ドイツ、イギリスなどでは2022年の1~3月の間にすでに承認されており、実際に使われています。

日本の1、2回目接種率は80%ありますが、3回目接種率は47%ぐらいで、20~40歳代の接種率は25~30%という状況の中で、4回目接種を推し進めてもこれ以上接種率を上げることは難しいでしょう。また、3回目と4回目の接種間隔が短すぎることに疑問を持っている専門家も多い中、ワクチン接種は第7波の防御手段としては不十分です。

[年齢階級別3回目接種率]

年齢(歳)12~1920~2930~3940~4950~5960~6465~6970~7980~8990~99100~
接種率(%)5.424.025.933.851.366.777.886.088.485.982.5

 

 

https://www.kantei.go.jp/jp/content/nenreikaikyubetsu-vaccination_data.pdf

また、簡便な治療薬として期待されていたシオノギの薬は効果が弱いだけではなく、催奇形性の問題も出てきましたから、容易に使う訳にはいきません。

こういう状況の中で、第7波や今後の新しい変異型や複合型の変異株に対処して、ワクチン接種のできない免疫弱者の方々を守るためには、海外と同じように「予防効果がありワクチンの代替手段として使用できる抗体医薬品」をできるだけ早く日本に導入する必要があります。

Evusheld(AZD7442 )は世界で唯一のコロナ感染予防抗体なのです。

ワクチンに不安をお持ちの方々に対しても国民を守るための感染防御手段として提供できるはずです。

なぜ日本だけ出遅れてしまうのでしょう?なぜ日本に早く導入してくれないのでしょう?

小さなクリニックからの情報発信ですが、この声が政府に届いてくれますように…

 

長期間作用型抗体の併用療法Evusheld(開発コード:AZD7442)、米国でCOVID-19の曝露前予防を適応とする緊急使用許可を取得 (astrazeneca.co.jp)

高リスク集団を対象とする2つの第III相臨床試験の新たな解析により、AZD7442のCOVID-19に対する高い有効性と長期予防効果を確認 (astrazeneca.co.jp)

アストラゼネカ、米国政府にCOVID-19の曝露前予防を適応とする長時間作用型抗体の併用療法Evusheld(TM)(開発コード:AZD7442)の100万回分を追加供給:時事ドットコム (jiji.com)

上していな

い。令和4年(2022年)4月14日時点

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