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4月の健康トピック 高脂血症と糖代謝異常

高脂血症と糖代謝異常

高脂血症は中性脂肪、コレステロールなどの脂質の代謝が障害され、血液中の脂質成分多くなった状態です。

ほとんど無症状でありながら、放置していると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞、脳卒中といった命にかかわる病気のリスクを高めます。

 

コレステロールの中でもLDLコレステロールは悪玉コレステロールといわれます。本来、コレステロールは生命維持に欠かせないタンパクですが、これが多すぎると動脈硬化を促進させるのです。

これに対して善玉コレステロールと言われているのがHDLコレステロールです。HDLコレステロールは余分なコレステロールを回収して血管壁にたまったコレステロールを取り除いて、肝臓へもどす働きをするので、動脈硬化には抑制的に働きます。

一時期、「HDLコレステロールは高ければ高いほど良い」と言われていたこともあり、テレビの健康番組などでも「長寿のもと」なんて言われていたこともありますが、最近の研究ではHDLコレステロールが高すぎるのも良くないことがわかっています。

 

中性脂肪(トリグリセライド、TG)は本来エネルギー源として働きますが、消費しきれずに余った分は肝臓や脂肪細胞に蓄えられるので、過剰になりすぎると脂肪肝や肥満の原因になります。

中性脂肪値が高い人はLDLコレステロール値も高いことが多く、また、中性脂肪はHDLコレステロールを減らしてしまう作用があるため、動脈硬化の進行を早めてしまいます。過度な飲酒を控え、食生活の改善や適度な運動をすることが必要です。

 

糖代謝異常とは空腹時または食後の血糖値が異常に高くなった状態を指します。 血糖値を正常範囲に下げるホルモン(インスリン)の働きが、肥満やインスリン抵抗性、インスリン分泌能低下などによって弱まることにより起こります。空腹時血糖で126mg/dl以上、随時血糖で200mg/dl以上、かつ、HbA1cが6.5%以上(NGSP値)だと糖尿病の可能性があります。

 

健診項目にもあるHbA1cという検査は過去数か月の平均血糖値を反映する検査です。過去1~2か月の平均血糖値が154mg/dl程度だとHbA1cが7%ぐらいになります。

血糖値が正常値に入っていたとしてもHbA1cが高い方は「たまたま」血糖値が低かっただけ、の可能性が高いのでちゃんと調べる必要があります。

一方、血糖値が130mg/dl以上などの高値なのにHbA1cが6.0%程度の方は、食後高血糖など糖尿病の一歩手前の状態の可能性もあるので医療機関を受診して検査をした方がよいですね。

 

糖質は消化されてブドウ糖となり、小腸で吸収され、血液へと送られます。

すると血糖値が上昇し、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。そして、余った血液中の糖は中性脂肪となり、肝臓や脂肪細胞に蓄積されるのです。

中性脂肪が高くなってきた方はまず、アルコールを含めた糖質をとり過ぎていないか振り返ってみましょう!!

 

糖質は脂質と比べると分解と吸収が早く、エネルギー源として即効性があるのが特徴です。このため糖のままで貯蔵することが難しいので、過剰に摂取したブドウ糖は脂肪に合成されて脂肪細胞に運ばれ、体脂肪として蓄えられるため、摂取しすぎると肥満になります。

また、体内で糖質をエネルギーに変わるときにはビタミンB1が必要なのですが、甘い清涼飲料水や氷菓、果物などで糖質を大量に摂取しても、食事からのビタミンB1が不足すると、糖質をうまくエネルギーとして使うことができず疲れやすくなったり、使えなかった糖質を貯蔵するため肥満の原因にもなります。

夏バテは、夏には甘い飲料を大量に摂取しているのに、ビタミンB1摂取が少ないことも原因の1つです。

お菓子やジュースだけでは食事の代わりにはならないのです。サプリでも良いのでビタミンをきちんとるようにしましょう。

 

脂肪は貯蔵効率の良いエネルギー源なのですが、糖質に比べて分解しづらいのでなかなか減らすことができません。

また、体脂肪を分解するときには血中にケトン体が増加して「ケトン血症」になることがあります。ケトン血症になると嘔気・嘔吐、便秘・下痢の他、活動性低下が出ることがあります。無理なダイエットをすると体がだるくなってやる気が起きなくなるのもこれが一つの原因です。

 

中性脂肪は食事の影響を強く受けるのですが、血中コレステロールのほとんどは体内で合成されているため、食事の影響をほとんど受けません。

コレステロールの合成や代謝は遺伝の影響をかなり強く受けますので、特にご両親やご兄弟にコレステロール値が高い方がいらっしゃる場合には、薬物治療を必要とする場合がほとんどです。

もちろん、食事からの無駄なコレステロールの吸収は下げた方が良いのですが、コレステロールの吸収は20~80%と幅がありますから、コレステロールの摂取量を減らすことよりも食物繊維などをしっかりとって吸収を下げることを考えた方が良いかと思います。

 

「夜遅い時間に食事をとると太る」とか、「寝る前に食べると太る」とか、よく言われますが、実はその原因はよくわかっていませんでした。

ところが、最近の研究では、夜遅い時間に食事をとることによって、食欲刺激ホルモン「グレリン」が増加して食欲抑制ホルモン「レプチン」が減少するので空腹感が亢進し、また深部体温が低下することや、脂肪組織の分解を抑制するように働く遺伝子発現が変化する結果、消費エネルギー量が低下するために太りやすくなるようです。

 

日本は夕食に一番多い食事をとることが多いのですが、昼に一番しっかりした食事をとる国もあります。お仕事がどうしても夜型になってしまうのであれば、夕食は軽くして昼食をしっかりとるようにすることも良いかもしれません。また、食物繊維をきちんととることで中性脂肪や糖の吸収が抑えられますし、ビタミンをしっかりとることで糖をエネルギーとして使いやすくなりますから、サラダなどでお野菜を毎日十分に食べるようにしましょう。

 

一時期「寝付きやすくなる乳酸菌飲料」が流行していましたが、就寝前に甘い乳酸菌飲料を取ることで血糖値が上がることも、寝付きやすくなる一因かと思います。このため、夜遅くに飲酒や食事をすると血糖値が高くなるので寝つきやすくなるのですが、一方で太りやすくなったり、逆流性食道炎を起こしたりしますし、また、「朝食を食べない」方の多くが夜遅くに食事をしているので、朝方の空腹感の欠如にも影響しているのかもしれません。

 

一日の食事バランスを考えて、朝、昼の早い食事を多めに、夕方から夜の食事を軽めにして、寝付きにくいようなら就寝前に少し甘めのハーブティーなどで軽く糖分を補給するのが良いですよ。

 

軽い夕食のレシピ

軽い夕食にはチキンサラダなどはいかがでしょうか?ゆでた鶏むね肉やささみを使うことでカロリーを抑えられますし、サラダチキンを利用することで調理の手間も省けます。

葉物野菜がたくさん食べられる秘密のドレッシングのレシピをここだけに公開しますね。

[カタリーナ・ドレッシング]

  サラダオイル 大さじ2

  酢      大さじ1

  トマトケチャップ 大さじ1

  砂糖     小さじ1(お好みで)

  レモン果汁  小さじ1/2(お好みで)

  塩      少々(お好みで)

 

これをよく混ぜるだけです。アメリカではとてもポピュラーなドレッシングで、野菜嫌いの子供にも人気の美味しいドレッシングですよ!

カリカリに焼いて細かく切ったベーコンを振りかけると大人の風味になります。サラダほうれん草やベビーリーフにもよく合います。

 

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