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2月のトピックス - テレワークと健康

あまり使う機会がないかもしれないのですが、今月はテレワークのお話です。

もともとオフィスの労働環境は、労働者の健康を守るためにかなり厳密に決められていたのですが、コロナ禍のおかげでなし崩しにテレワークが導入されてしまったために、テレワーク下でのガイドラインの整備や周知徹底が十分になされていないのが現状です。

テレワーク/自宅勤務は確かに通勤時間が無くなるので時間管理の点では有利ですが、

1 もともと自宅が仕事をするように設計されていないため、ディスプレイや机の高さ、室内の明るさなどが適正ではないこと。

2 特に日本の住宅は狭小で家族の複数人が同時にテレワークやリモート授業などを実施すると場所の確保から困難になること。

3 ワンルームなどでの一人暮らしの場合、仕事、生活、食事、睡眠を狭い一部屋ですべて行う状態になること。

4 運動習慣のない人の場合、通勤がなくなることによって運動量が極端に減少すること。

5 労働時間管理が困難であること。

6 オンライン会議などではプライベートな環境が公開されるなどの事故が起きる可能性があること。

などの問題点があります。

 

自宅で仕事をする場合に専用のディスプレイを机上に常時設置できればよいのですが、広さや美観の問題でできないことも多いかと思います。

その場合にはノートPCを持って帰って仕事をすることになるのですが、ノートPCは座って下を見ながら作業する形になることが多いうえに、キーボードに角度がついていないため、肩こりや緊張頭痛の原因になることが多いのです。ノートPCを使っていて頭痛や肩こりに悩まされている方は、

 ノートPC台を設置してその上にノートPCを置くことで目線が水平になるようにする。

 分離型のキーボードを使ってディスプレイとキーボードを分離する。

だけでも大分症状が良くなることがあります。

また、手元資料を照らす明るさが暗いと目が非常に疲れるので、手元ライトなどで手元資料を照らすのも良い方法です。

運動量が極端に減少してしまう方の場合には、お昼休みに外を散歩して運動量を稼ぐことも考えましょう。

 

厚生労働省から下記のようなテレワークを行う際の作業環境整備のガイドラインが出ているので参考にしてみてください。

自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備 (mhlw.go.jp)

 

 

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