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ワクチンパスポートの是非

先日、いろいろな会社の方が集まるアドバイザー会議に出席していたところ
ワクチンパスポートの話になりました。
 
その会議の中で、ある偉い方が、
「日本も早くワクチンを打った人にはワクチンパスポートを発行して、
経済活動を復活させるべきだ!」
というお話をされていました。
 
ん~、それちょっとね、問題があるんですよね…
 
せっかく呼んでいただいたパネリストとしては
「はいはい、そうですね」と頷いているだけ、という訳にもいかないので
「ワクチンパスポートの発行は混乱を招くからやめておいた方が良い」
というお話をさせていただきました。
 
ワクチンは100%の安全を保障するものではありません。
ワクチンを打ってもコロナにかかることもあるでしょう。
ただ、ワクチンを打って抗体を持っていれば
体の中でウイルスが増殖する前にやっつけられるようになり、
もしウイルスが増えたとしても重症化しにくいので
命が助かる可能性が高くなるのです。
 
残念ながら
「ワクチン打ったら無敵モードに入って何やってもOK!」
にはなりません。
 
それに、もし、これから先にコロナウイルスが変異を繰り返して
今のワクチンが効かない新新型コロナウイルスが出てきて、
新・新型用ワクチンを打つ必要が出てきたら、
今発行したワクチンパスポートと新しいワクチンが混在して混乱の原因になります。
 
この意見に対して、
「経済活動を復活させるためにはワクチンパスポートが必要なんだ!」
という意見が大勢でしたが、
経済活動を復活させる方法はワクチンパスポートが唯一の方法ではありません。
 
なによりも、
「ワクチンパスポートを持っているから無敵モードになった」
と誤解されるのは困ります。
 
それに、コロナやインフルエンザのウイルスは
ヒトだけではなく、動物にも感染する性質を持っているので、
どんなに優れたヒト用のワクチンが出てきても絶滅させることはできません。
一瞬は消えたように見えても、また必ず帰ってきます。
 
また、ワクチンが効果を示している時間もまだわかりませんが、
「一生効果が続く」ということはないでしょう。
 
今回の新型コロナウイルスもSARSやMARSといった感染症を
現れたり消えたりしながら出てきたものです。
 
新型コロナウイルスからの「完全に防御する方法」はないので、
「ワクチン打った!パスポートもらった!これでコロナ前と同じに生活できる!」
というようにはならないのです。
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