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尿酸値が高いと言われたら・・

尿素と尿酸について、名前が似ていることから混乱していることが多いので、ここでちょっと勉強してみましょう。

まず尿素についてです。尿素はアミノ酸代謝の生成物でタンパク合成などにも関係しています。

糖質や脂質は完全に酸化されると水と二酸化炭素になりますが、タンパク質(アミノ酸)は、窒素を含んでいるためアンモニアが発生してしまいます。このため、タンパク質をアミノ酸に分解するときには、まず、最初に窒素を含むアミノ基を「アンモニア」として除去します。アミノ基を除去された残りの炭素部分は普通に水と二酸化炭素に分解されます。

ここで出てきたアンモニアですが、高い膜浸透性があるために細胞内に浸透して細胞の機能を止めてしまうので「超」危険な物質です。このため、体内でアンモニアが生じた場合はすぐに処理しなければいけません。ところが、血液でアンモニアを直接輸送するのは危険すぎるので、組織で生じたアンモニアはグルタミン酸、筋肉で生じたアンモニアはアラニンというアミノ酸に変換してから血液で肝臓に運ばれて、肝臓でもう一度アンモニアに戻してから「尿素」に変化します。尿素は水に溶けやすいので腎臓から尿の中に排泄されていきます。

これに対して尿酸は核酸などに含まれるプリン体の分解産物で有機酸です。プリン体には

  プリン塩基: アデニン、グアニン、ヒポキサンチン

  プリンヌクレオシド(プリン塩基+糖): アデノシン、グアノシン、イノシン

  プリンヌクレオチド(プリン塩基+糖+リン酸基):アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸

の3種類があります。このプリン体がキサンチンオキシダーゼで処理された最終処理物が尿酸です。

尿酸は特に決まった役目を持たない酸として体内に存在していますが、ビタミンCに匹敵する強力な抗酸化物質です。

尿酸の原因となるプリン体の80%(500mg/日)は体内で産生され、食品から接種されるプリン体は20%(1日に約100mg)です。

体内で生成されるプリン体はDNAなどの核酸や細胞のエネルギー通貨であるATP/ADPの代謝産物として生成されるので、激しい運動を行ったりすると尿酸値が高くなることがあります。

尿酸値の基準(正常値)は6.0 mg/dL以下ですが、 尿酸値が7.0mg/dL以上を高尿酸血症と言います。 7.0mg/dLを超える状態が続くと、痛風発作を起こす可能性が高くなります。痛風は尿酸が体内で析出して結晶ができることにより関節炎などを来たす疾患のことで、「風が吹いても痛い」というくらい激しい関節痛を伴います。

痛風発作は夜中から明け方に起きることが多く、痛みのピークは2~3日間続いてから、2週間以内に痛みはなくなります。しかし、適切な治療を受けて生活改善をしないと痛風発作を繰り返すようになり、だんだん発作の間隔が短くなって、やがて常に痛みや腫れがあるようになります。繰り返し痛風発作が起きた部位では、骨や関節の破壊や変形が生じ、関節周辺や皮下には痛風結節と呼ばれる「こぶ」ができてしまいます。

最初の痛風発作の7割は足の親指の付け根に起きますが、足の甲やひざ、足首、アキレス腱などに発作が起きることもあります。

痛風の原因になる高尿酸血症はメタボリックシンドロームの1つで、尿路結石などを起こすことがある他、腎機能低下や動脈硬化を進行させるので心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性も高くなりますから、しっかり治療することが大切です。

ただ、高尿酸血症の治療の際に1つとても大切なことがあります。

「急な尿酸値の変動は痛風発作を起こす可能性がある」ので、薬物療法の開始時は少量から薬を使います。また、薬物療法をやめると尿酸値は簡単に再上昇するので、自己判断で治療を中止することは危険です。

一度ご自分の尿酸値についてチェックしてみてくださいね。

 

<食事アドバイス>

尿酸値が正常値を越えて高くなっている方は食事にも注意する必要があります。

「ビールはプリン体を多く含むから”プリン体ゼロ”なら平気だろう!」と思ったあなた!

エタノールの分解にはATPを消費するため、”プリン体ゼロ”のビールでもアルコール摂取をすることで体内のプリン体合成が増加します。

ビールだけではなく、アルコールの摂取量を減らすようにしましょう。

また、尿酸は果糖の過剰摂取でも増加するので、果糖が含まれるジュースや炭酸飲料の摂取は控えるようにしましょう。

運動をする時にはジョギングなどの有酸素運動を多くするようにすると良いですよ。

 

 

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