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コロナとインフルエンザ

こんにちは!
暖かい春の日が近づいてきました。
 
今年(2020-2021)は、冬の代表的な感染症である
インフルエンザはほとんど流行しませんでした。
去年(2019-2020)もインフルエンザはほとんど流行しませんでした。
 
世間では
「コロナのせいで手洗いや衛生習慣が浸透したからインフルエンザが減った」
とか言っていますが、これにはちょっと???です。
 
そういえば去年(2020年)の初めごろには
「コロナとインフルエンザの両方が流行するツインデミックが来る!」
とか言ってる専門家がいましたが、来なかったですよね。
 
呼吸器系のウイルス感染症は歴史的に
 1つのウイルスが大流行すると他のウイルスはあまりはやらない
傾向があります。
実際、子供の呼吸器感染症の代表的ウイルスであるRSウイルス感染も
コロナの流行が始まってからは少なくなっています。
 
さて、理由はどうあれ、インフルエンザは2年流行っていません。
今年の冬(2021-2022)もコロナの流行は続くでしょうから
インフルエンザの流行はないと思ってよいでしょう。
 
でも、これはとても恐ろしいことなんです。
だって、2019年以降に生まれた赤ちゃんは、インフルエンザに出会ったことがないんですよ。
その前1~2年、つまり、2017年~2018年に生まれた赤ちゃんだって、1回か2回しか出会っていません。
 
私たちは特に病気にならなくても、自然にウイルスに接触することで
ナチュラル・ブーストと言って、自然に免疫力を維持しています。
しかし、感染症が消えてしまうと、ナチュラル・ブーストもなくなって、免疫力が維持できません。
つまり、大人のインフルエンザへの免疫力も低下しています。
そもそも、普段の状況でも
 インフルエンザへの免疫は1年ぐらいしか持たない
とも言われていますから、
インフルエンザに対する集団免疫は極めて低下している状況と言えます。
2022年か、2023年かにコロナ感染症がおさまると、必ずインフルエンザは帰ってきます。
しかも、
 生まれてから1回もインフルエンザに出会ったことない子供
 集団免疫の低下した大人
の中にインフルエンザが帰ってくると、とんでもないパンデミックになる可能性があります。
インフルエンザにはワクチンがありますから、
 「流行っていないからインフルエンザのワクチンは受けない」のではなく、
 「流行っていないからこそ将来のためにインフルエンザのワクチンを受けよう」
と考えていただいて、ぜひ次の冬になる前にインフルエンザのワクチンを受けてくださいね。

 

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