こんにちは!
感染者数が日々増加している中、在宅勤務やテレワークを導入している会社も多いと思います。
私が働いている会社でも在宅勤務やテレワークが行われています。
10年以上前から日米欧で働いて、各国で在宅勤務やテレワークを見て、実際にも経験してきました。
今回の在宅勤務やテレワークの導入は急だったこともあって準備不足が目立ちますし、これから先も心配です。
① 住宅事情が考慮されていないこと
日本の住宅が狭いことは周知のとおりです。
特に都市部の家は、日中は学校や会社に行っていることが前提で
夜、体を休める場所としての設計になっています。
でも、在宅勤務やテレワークの環境下では、
家に、体を休める場所+仕事場+生活の場などいろいろな役割を持ってきてしまいました。
しかも家族全員分が同時に…です。
仕事中にテレビの音が聞こえたり、
子供のオンライン授業の声が聞こえたり、
仕事に集中できる環境ではないですし、
生活の場と仕事の場が同じというのは、
とてもストレスがたまります。
② 就労環境が検討されていないこと
会社のオフィスは照度(明るさ)や机の高さなどが決められています。
これは肩こりや腕の痛み、頭痛などを避け、
腰痛から体を守り、目の健康を守るためにも必要です。
家の中で仕事をしている場所の明るさや、机・椅子の高さはどうでしょう?
必ずしも仕事に適した環境になっている訳ではありません。
場合によっては
「ワンルームでこたつで丸まって正座」
で働いている方もいらっしゃると思います。
これは肩こりなどを誘発するだけではなく、
丸まった姿勢は気分の落ち込みを誘発する原因にもなります。
③ 人と人のコミュニケーション・ロスが考慮されていないこと
インターネットの発達で確かに便利になりました。
でも、ZoomやTeams、Skypeのコミュニケーションだけでは
必要な時に必要なことを伝えるためには十分かもしれませんが、
人と人との間の温かみのあるコミュニケーションは十分にとれません。
人と人との温かみのあるコミュニケーションは
人の感情や脳の働きを守るために絶対に必要なものです。
「寂しさ」は人の感情を不安定にさせ、思考を狭めます。
特に壮年・高年の男性や若年者は「寂しさ」に弱いのです。
④ 地域コミュニティが機能していないこと
コロナが流行する前は、在宅勤務やテレワークをしていても、
地域のコミュニティが正常に機能していました。
たとえ一人で仕事をして「寂しい」と感じたとしても
「運動不足だな」「腰が痛いな」「肩が凝ったな」と思っても
散歩をしたりトレーニングジムに行ったり喫茶店に行ったり
地域のコミュニティで人と触れ合うことができました。
でも、今のコロナの状況では、それもままなりません。
⑤ 産業医の介入が少ないこと
産業医の先生方は会社員としての勤務経験がないことが普通です。
このため、会社員としての問題が経験としてはわかりにくいのです。
その結果、なかなか事前に介入することが難しくなっています。
⑥ 終わりが見えないこと
人は単発の期間限定のイベントであれば、かなり大きなストレスでも耐えることができます。
しかし、弱くても繰り返しで終わりのないストレスにはとても弱いのです。
ストレスが続くと、だんだん考える範囲が狭まってきます。
同じような考えや昔のことにとらわれたようになります。
だんだん感情が不安定になって、悲しくないのに涙が出たり、
突然怒りがわいてきたり、悲しくなったりします。
これはうつの一歩手前の状態です。
このような問題には労働衛生の立場から早く対策を取らないといけません。
もし心当たりのある方がいらしたら、ぜひ私共にご相談ください。